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セントルイスブルース/ベッシ—・スミス(1929年)

我が人生で最も影響を承けた硬骨のルポライター・竹中労さんに生前、若き日の音楽体験を伺ったことがある。フルトベングラーに深く傾倒した終戦直後、そのあと、ベッシ—スミスとサッチモ掛け合いの「セントルイスブルース」に出会い、黒人音楽、就中、ジャズに急旋回していったという。
「音楽は階級意識にすぐれて革命である」竹中労の生涯を振り返る時、音楽と革命は分かち難い。50年代は美空ひばりとの出会いによって「哀愁波止場」から太平天国へと到る汎アジア窮民革命の原点は措定される。つづく60年代、嵐のように襲った文化大革命とビートルズ体験。紅衛兵とビートルズ、この二つの同時代を繫ぐ一筋の糸、アナキズム原理。そして70年代、風狂の謡人・嘉手苅林昌との出会いによる島うた全面展開と汎アジア幻視行。言わばこの唄は「「神々の季節」の前におかれた戦後青春の一曲だった…。

by masaru0801 | 2016-03-15 09:03