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10/15 てなもんやローオンバラエティ @浅草

ミソラレコード・プレゼンツ てなもんやローオンバラエティ

第三回 河内音頭 悪名一代
  --三音家浅丸、没後三十年に寄せる覚書--

1981年、不世出の天才音頭取、三音家浅丸逝く。享年四二。そして三十年…。河内音頭の名門・三音会が精鋭を揃えて浪曲定席・浅草木馬亭に気迫の初登場。さらに浅丸の最大のライバルにして盟友、名人・日乃出家小原丸の客演を得て、夭折した天才音頭取の面影を偲びつつ、音頭の現在をあますことなくつたえる。

出演
三音家小浅丸(三味線・ギター)
三音家さとし(音頭)
三音家晴月(音頭)
三音家末登里(音頭)
三音家たかし(音頭・太鼓)
三音家浅龍(ベース)

+囃子二名

スペシャルゲスト
日乃出家小源丸(音頭)
日乃出家小鉄(三味線)

司会進行
澤田隆治(メディア・プロデューサー)
三音家かつ恵(河内音頭三音家家元)

監修 澤田隆治・三音家かつ恵
企画制作 ミソラレコード
協力 東京ローオン倶楽部

日時
2011年10月15日(土曜日)
午後4時開場/午後5時開演

会場
浅草木馬亭 電話03-3844-6293
東京都台東区浅草2丁目7-5
[最寄駅]
地下鉄〈銀座線〉〈都営浅草線〉浅草駅
地下鉄〈銀座線〉田原町駅
私 鉄〈東武伊勢崎線〉浅草駅

木戸銭
前売予約3000円/当日3500円

お問い合わせ/前売予約
メタカンパニー 電話03-5273-2821/ファックス03-5273-2831
メディア・ルネッサンス 電話03-5660-6498/ファックス03-5660-6499
電子メール CBE09606@nifty.com




 河内音頭「三音会」と三音家浅丸

 三音会は初音会・鉄砲会・日乃出会と並ぶ河内音頭の老舗会派である。そして二代目三音家浅丸(1939-1981)は戦後の河内音頭界に新風を吹き込んだ不世出の天才音頭取であり「河内音頭の革命児」であった。
 三音会は戦前・初代三音家浅丸が大阪府松原市三宅に開設。当時の音頭界は初音会を中心に井筒会、日乃出会、そして三音家の四会派が切磋琢磨しながらもしのぎを削っていた。
 戦後は1947年に入門した三音家小浅丸(二代目・浅丸)を中心に本格的に独自の音頭の創造に取り組む。音頭に唄や浪曲等を加える創意工夫を重ね「三音節」の原型を作り上げる。二〇数名いた弟子の中で三音家小浅丸が井筒家小石丸・日乃出家小源丸とともに「三小丸」と謳われ頭角をあらわす。
 1976年、小浅丸は二代目・浅丸を襲名。1961年「民謡鉄砲節」で一世風靡した鉄砲光三郎のポスト世代登場を待望する時代の要請に適った音頭取として一躍注目。ラジオ大阪「ふるさとの歌めぐり」のレギュラー出演をはじめテレビ・ラジオ番組に多数出演。LPレコードはもず唱平作詞「馬喰一代」「河内の暴れ太鼓」今東光原作「悪名」等多数。1981年6月、四二歳の若さで惜しまれながら他界。二代目浅丸の夭折は「浅丸の死が音頭の発展を十年遅らせる」と他会派の音頭取からも言われるほどの大きな衝撃であったと言う。
 いま、三音家浅丸の最大の偉業を手短に物語るとすれば、直弟子の伴奏陣と共に試行錯誤を繰り返して築き上げた「魔法ユニット」の異名をもつ独自のリズムセクションの構築がまず第一に挙げられるだろう。自身の音頭・三味線・太鼓・ギターの伴奏陣四者対等による即興演奏が相互に刺戟し相乗しながら新たな「フシ」と「リズム」を喚起する、ジャズにおけるインタープレイ、アドリブ法を音頭に移し替えたかのような過激な作風とそれを可能にする未曾有のリズムセクションを創出したのである。
 さらに最盛期の三音家には浅丸の人望と才能を慕って一五〇人程の弟子が集っていたことにも浅丸の偉大さは顕著である。演歌歌手・金田たつえも三音家の門を叩き浅丸に親しく薫陶を受けた一人。浅丸の早すぎる死は音頭界にとどまらず大衆藝能にとっても大きな損失であったと言ってもけして過言ではない。三音家浅丸は不世出の天才であり誰からも愛された好漢であった。
 その後三音会は二代目浅丸の遺志を継いでかつ恵を家元、浅丸の兄弟弟子・浅王丸を三代目会長として再出発。亡き浅丸の夢であった東京公演(1982年)、下町錦糸町に櫓を建てての大盆踊り大会(1985年)等を次々に実現。関東における河内音頭の普及に大きく貢献する。現在は四代目会長・二代目小浅丸を中心に河内音頭、創作太鼓のさらなる発展を目指して地元の櫓をはじめ老人ホーム訪問、身体障害者施設へのボランティア出演、地方公演にも力を入れるなど精力的に活動している。また、故浅丸が金田たつえを音頭取として育成したように演歌歌手・大原美登里を音頭取・三音家
美登里として育成中。
 そして2011年。不世出の天才音頭取・三音家浅丸逝って早三十年…。河内音頭の名門・三音会が精鋭を揃えて浪曲定席・浅草木馬亭の舞台に気迫の初登場。幸運にも三音家オールスターズに加えてさらに浅丸最大のライバルにして盟友、名人・日乃出家小源丸、河内音頭界屈指の名曲師・日乃出家小鉄の客演を得ることができた。現在、考えられる最高の布陣で 夭折した天才音頭取の面影を偲びつつ河内音頭の現在、そしてその大きな可能性ををあますことなくつたえる昂噴と感動の一夜。

[監修者プロフィール]
澤田隆治 メディア・プロデューサー。1955年、朝日放送入社。ラジオ番組の演芸プロデューサーとして「東西寄席風景」「漫才教室」「浪曲歌合戦」等を担当。1958年よりテレビ番組を担当。以後、「スチャラカ社員」「てなもんや三度笠」「新婚さんいらっしゃい!」「花王名人劇場」等、数多くの人気番組を手がける。社会現象になった1980年代の漫才ブームで果たした役割は大きく、「漫才ブームの仕掛け人」との評価が確立している。本年初頭より大衆芸能アンソロジー「上方藝能ルネサンス」(全二〇巻)、本シリーズ公演「てなもんや浪漫&ローオンバラエティ」の監修を手がける等、変わらぬ情熱と衰えぬ行動でこの国の大衆芸能の発展に大きく寄与している。